私が定義するコミュニティホテルとは、宿泊、宴会、会議、レストランを 保有するホテルです。
施設内容は、宿泊客室数100室~200室、宴会場1室~4室、レストランを保有する中小規模のホテルです。
いま東京、大阪、福岡などでホテル建設が進んでいます。
ほとんどが外資系や大手複合ホテル、宿泊特化型のチェーンホテルが主流です。
じつはまだまだ中小規模のコミュニティホテルの増加は期待できます。
宴会、会議、レストランといった地域密着型のニーズは根強くあります。
だだし課題はあります。
宿泊、宴会、レストラン各部門の運営施策に違いがあります。宿泊は全国的な営業のため、ネットエージェントの活用が主力となっています。
宴会、会議は地域の法人、団体が重要な対象になります。レストランは、時間帯別の営業が必要になります。
このように異なった事業を並行して行うには、事業ごとの営業施策と経費コントロールをきめ細かく実施していかなければなりません。
総支配人の采配は複雑になります。さらに幹部社員の育成にも問題があります。
ここで問題点を分析して利益の上がる中小規模のコミュニティホテルを目指して見たいと考えています。
『宿泊部門』
ホテルと言えば旅行客に客室販売が主になります。旅館業法でも宿泊客対応と宿泊室の規定と衛生関連が基本となっています。
宿泊営業はPCシステム化が進んでいます。PMS(ホテルシステム)よる宿泊予約、C/I、C/O、会計業務の管理。そしてOTA(楽天トラベル、じゃらん、エクスペリア等)のネット予約サイトとサイトコントローラー(手間いらず、TLリンカーン等)を活用しています。
その他には自動精算機を導入しているホテルも増えています。
予約、部屋割り、会計などを一元管理して以前のフロント業務の経験者の軽減化が推進されています。
宿泊売上予測は、RevPAR(販売可能な客室1室当たりの売上)とOCC(平均稼働率)で算出できます。
基本は、1名当たりの単価ではなく1室当たりの単価で計算します。
1室に何名(ベット数)泊まれるかが重要になります。
これは、1泊食事付き、布団数と畳敷きで複数名の宿泊が可能な和風旅館との発想が違ってきます。
しかし、食事と宿泊の料金を分離し1室当たりの売上計算ができる仕組みが必要になります。
宿泊部門は、利益率の高い商売です。宿泊部門別利益は40%を目標にしたいものです。
そのためには、宿泊者の曜日、季節変動を理解し日々の予約状況と宿泊料金を把握しコントロールしていかなければなりません。
経費に関してもアメニティ、リネンの仕入れ価格に注意をはらう必要があります。特に客室清掃を外注している場合はその請求書金額に注力してください。
従業員不足による清掃代金は高騰しています。
仕入れ会社様、清掃会社様との料金交渉も総支配人の役目となります。
宿泊部門はシステム化されています。丼勘定にならない様管理してください。
宴会、会議、婚礼部門
ホテルで宴会、会議、婚礼部門は大きな売上をあげています。
しかし時代が進み今までのビジネスモデルでは収益をあげることが難しくなってきているのが現実です。
宴会料金の低下、宴会人数の減少、会議開催時間の減少、婚礼情報誌の躍進等ネガティブな条件があげられます。
1件毎に経費計算を行い採算性を理解していかなければなりません。
売上を確保するために値引き営業を続けていては利益を計上できません。
食事代、飲物代、室料、付帯料金のブレイクダウンをおこなってください。
人件費はサービス要員の正社員、パート、配膳会費用を計上し、さらに共通経費として調理部門、営業職経費を加算してください。
最初は複雑かもしれませんが、フォーマットができてくると簡単に管理できます。
- 売上-原価=粗利
- 粗利-関連人件費=営業利益
- 営業利益ー共通経費=部門別利益→ここまでは現場管理です。
レストラン部門
ホテル営業の内では難しい部門です。
- 朝食:宿泊客が利用する食事です。ビッフェスタイルかプレイトサ-ビスにするかは、宿泊人数で決定していきます。ビッフェは一回に15人~20人前を調理しますし、営業時間が最大6:30~10:30程度はありますので、少人数は料理ロスが発生します。
朝食料金は、宿泊料に込みにして喫食率を上げる場合もあります。
朝食に調理、サービスに何名の要員を用意するかで収益が変わってきます。 - 昼食:ホテルの立地によって営業方法が変わってきます。
駅前、街中で会社が近隣にあればランチ営業が効果があります。
道路沿いであれば、ファミリーレストラン的な営業が可能です。
その場合は駐車場と大型看板が必要になります。
ランチ営業は、セットで日替り、週替りメニューの提供が良いでしょう。
ランチは曜日によって増減があります。特に土日祝日の売り方に工夫が必要となります。 - アイドルタイム:15:00~16:30程度、通常は喫茶、軽食営業ですが、そのままでは集客を望めません。
女性客をターゲットにしたケーキバイキング等の企画を立案するのも一案です。 - 夕食:1泊2食の宿泊であれば、C/I時に予約で対応できます。
それ以外では、地域密着型のお客様の集客を目指しましょう。
地域によりますが、私はいままで居酒屋系の営業を進めてきました。
駅前、街中でなければ送迎バスを検討すると効果があります。
レストラン営業は、まず時間帯別にメニュー別、男女別、年齢別、喫食率等の集計を記載分析しそのレストランに適した営業方法を考える必要があります。
これから各部門に分けて、さらに詳しく書き込んでいきますので
ご一読ください。